教会便り 2021年7月

しゃくやく
花言葉:謙遜


カトリック島田教会

〒427⁻0041

島田市中河町344

0547-37-1906



憐れみ深い人々は、幸いである

カトリック島田教会 金子尚志神父

 「あなたってあわてん坊よネ・・・」「あなたって意地悪な人ネ・・・」「あなたって憐みのない人ネ・・・」、他者からいろいろと悪口を言われることがあるかもしれません。しかし最後の「あなたって憐みのない人ネ・・・」と言われると、人間が本来備えておくべき本質的な部分が欠落しているような気がします。「憐れみ」とは何でしょうか? イエスは言います、「『わたしが求めるのは憐れみであって、いけにえではない』とはどういう意味か、行って学びなさい」(マタイ9.3)。このようにイエスも私たちに求めているのは「憐れみ」です、ここに出てくる「いけにえ」とは私たちの生活では馴染まない言葉ですが、ここでは宗教行為全般として理解したらよいかもしれません。すなわちイエスの時代宗教行為や儀式を清く行うことこそが神様に喜ばれることとして理解されていました。しかしイエスは「憐れみ」こそが御父が望んでいることを強調します。あの「善きサマリア人」(ルカ10.25-37)の話でも祭司やレビ人は追いはぎに襲われた人に係ろうともしませんでした、それは襲われた人と係わることでそれ以降の宗教儀式が汚れることを心配したからです。しかし旅をしていたサマリア人は「その人を見て憐れに思い・・」(33節)と襲われた人に近づいていきます。私たちの生活で「憐れみ」の心がすぐに行動へと結びつかないことも確かです、しかし他者の痛みに対して「憐れみ」の心を感じないことがより大きな問題です。それでは「憐れみ」の心はどのようにしたら育まれるのでしょうか? それは先ず私こそがイエスから「憐れみ」深さを体験することです。

マルコ福音書に次のような話があります、「さて、重い皮膚病を患っている人が、イエスのところに来てひざまずいて願い、『御心ならば、わたしを清くすることがおできになります』と言った。イエスが深く憐れんで、手を差し伸べてその人に触れ、『よろしい。清くなれ』と言われると、たちまち重い皮膚病は去り、その人は清くなった」(1.40-42)。ここでの皮膚病者の『御心ならば、わたしを清くすることがおできになります』とは、次のような思いが含まれています、すなわち「私は皮膚病のために隔離されています、その私があなたの前にこのように体をさらけ出すことは許されていません、ですからもしあなたが私をどのように扱ったとしても、私はそのことであなたを恨んだり憎んだりはしません・・」、この皮膚病者の思いにイエスは深く憐れんで触れます。

 当時の理解としては皮膚病者に触れることは触れた人の感染の有無に係わらず同じように隔離されました。イエスは病者に触れなくても癒すことは簡単です、問題なのはその人に触れて癒したことです。すなわちイエスの思いは「私はあなたとだったら同じ皮膚病になって隔離されてもいいよ・・・」という思いです。このように神様の「憐れみ」とは人間に共感しその痛みを自分のものとしその人と人生を共に歩むことでした、そのために神は人となられました。私たちもイエスから自分の見たくない心の傷や醜さに触れられることを望む者だけが彼の憐み深さに出会い癒されます。「憐み深い人々は、幸いである」(マタイ5.7)とは、このように先ず私が恵みによってイエスの憐み深さを体験した者であり、それこそが幸いなのです。

 コロナ禍で入院している人、また見舞うこともできない親族・友人・知人すべての人々にイエス様の憐み深さに触れられることを祈って・・・。

「わたしは傷を持っている、でもその傷のところからあなたのやさしがしみてくる」(星野富弘)


船越保武「ダミアン神父」



現代日本人の宗教意識(1)

―ISSP国際比較調査「宗教」によるー

編集子

 国際比較調査グループ(ISSP)では、約40カ国の研究機関が、毎年、特定のテーマで、共通の質問を設けて、調査しています。

 2018年のテーマは「宗教」で、調査期間は2018年10月27日~1月4日、配布回収法、全国18歳以上2400人、有効調査数(率)1466人(61.1%)でした。 

・信仰している宗教 

「あなたには、ふだん信仰している宗教がありますか。冠婚葬祭だけの宗教ではなく、あくまで、あなたご自身が、ふだん信仰している宗教をお答えください。」という質問では、

1.仏教・・・・・・・・33.1%(2008年)→31.4%(2018年)

2.神道・・・・・・・・3.1%(2008年)→2.5%(2018年)

3.キリスト教・・・・・0.7%(2008年)→1.2%(2018年)

4.その他の宗教・・・・ 0.8%(2008年)→0.5%(2018年)

5. 信仰している宗教はない・・・61.0%(2008年)→62.3%(2018年)

6. 無回答 ・・・・・・1.3%(2008年)→2.2%(2018年)

 10年間の、2008年の結果と比べてみると、各宗教も、信仰している宗教はないと回答した人も、大きな変化はありませんでした。

 「仏教」と答えた人について、2018年、男性34%、女性30%で差はありませんでしたが、年代別で見ると、男女とも、18歳~39歳では17%、60歳以上では、40%で、年齢の上昇と共に信仰者の数は多くなっています。

 2018年と2008年を比べてみると、全体的には、左程、変化は見られないものの、その内訳を見ると、女性は、35%から30%に減少しています。女性の中でも、特に、60歳以上の年齢層では、54%から43%へと、減少傾向が顕著に見られ、そこには、仏教界における、この10年間の変化が窺えます。

参照:小林利行:日本人の宗教的意識や行動はどう変わったか

~ISSP国際比較調査「宗教」・日本の結果から~



第3回運営推進会議議事録

日時:6月6日 12:00~12:30

場所:集会室

出席者:8名

1.報告事項

横浜教区の本年度分担金

志太榛原共同宣教の本年度分担金

ラファエル・永田来夢君、ミカエル・永田歩夢君 初聖体

教会のゴミ出し場所のネットを補修整備

教会の散水ホースを補修整備

教会便り6月号発行

ホームページ更新

第2回「受難劇による黙想会」開催

2.議題

6月27日に第3回「受難劇による黙想会」を開催予定

土曜カルチャー「映画の中のキリスト教」開催。コロナ禍収束後、

保険センターを介して、衣類による海外援助

地域住民の「教会に対する意識調査」計画

コロナ予防接種申請時の援助

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