教会便り 2023年 2月
ネコヤナギ
花言葉:率直
カトリック島田教会
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島田市中河町 344
0547-37-1906
ともに成長していく歩み
カトリック焼津教会主任司祭 牧山善彦神父
今年の1月12 日から19 日にかけて、司教団の司祭生涯養成部門が主催する司祭生涯養成プログラムの研修会に参加しました。この研修会は2016年に教皇庁から出された「司祭養成基本綱要」のなかで求められた司祭の生涯養成の要請によるもので、今回が初の試みでした。叙階の恵みを受け、 5 年から 7 年経ち、それぞれの場で経験してきたよろこび、悩み、苦しみ、霊的な賜物などを振り返って分かち合うことで、自分自身多くの気づきや励ましを参加した司祭たちから与えられたと感じています。
生涯養成は司祭に限らず、すべてのキリスト者にとって大切なことです。たとえば洗礼、初聖体、堅信、結婚、叙階など、信者として生きるなかで節目となる秘跡がありますが、それらはいずれも「ゴール」ではなく「スタート」だと言えます。わたしたちの思いを越えて、まず成長のための恵みと実りを与えてくださるのは神さまですが、蒔かれた種が豊かに実を結ぶように自らの畑を耕すはたらきが、わたしたちの側にも必要となります。
マルコによる福音書のなかでイエス様が十二人を選ぶ場面は、わたしたちへのイエス様の招きと重なります。「イエスが山に登って、これと思う人々を呼び集めると、彼らはそこに集まって来た。そこで、十二人を選び、使徒と名付けられた。彼らを自分のそばに置くため、また、派遣して宣教させ、悪霊を追い出す権能を持たせるためであった。」〔マルコ 3.13-14〕何よりもまず、イエス様がひとりひとりを呼び集められます。その目的は、まず「自分のそばに置くため」つまり主とともにいるためだと言えます。当たり前のことで普段は意識しないかもしれませんが、わたしたちの信仰はイエス様抜きには成立し得ないものです。次いで「派遣して宣教させ」るため、ことばや行いや生き方を通してキリストを証しする使命を担って、それぞれの場所へと送り出されていくためだと言えます。弟子たちは送り出され、またイエス様の元に戻ってきます。きっと、それぞれの場で得たよろこび、困難などをそれぞれに分かち合ったことでしょう。そして、主のもとで教えを受けたり、主のはたらきを目の当たりにしたり、食事をともにしたりして、また送り出されていく・・・使徒たちが主のもとで日々養成されていった歩みを、わたしたちもまた主の日を中心とした大きな循環のなかで体験し得るのでしょう。
書評「捨てない生き方」五木寛之 マガジンハウス 2022 年
編集子
コロナ渦によって、新しい経験をし、まだ終わったわけではなく、歴史的な事実になったわけでもないけれども、ひょっとしたら、これが新しい時代、「捨てない生き方」の始まりのような気がする、と作者は言う。
モノに埋もれて辟易している現代人と言うものから脱却しようとして、十年程前に断捨離という言葉が話題になった。
捨てることに意義を見出すということは何も今に始まったことではなく、古来の伝統がある。ところがこの国には、「育み蓄えていく」という文化もある。そのうえで、そういうものを捨て去って一個の裸の人間として生きていくと言う文化がある。
そのような二つの流れがあり、人々は常に、両方それぞれに憧れながら生きている。
孤独を癒すひとつのよすが(縁)として、モノに囲まれて暮らすということもある。モノに囲まれているということは、実は「記憶」と共に生きているということだと、論者は力説している。
モノが捨てられないのは、執着のせいであり、その執着はどこから来るかと言えば、それは、生きているからであり、生きている限り、執着は消えない。
多くのモノに触れることで、思い出を振り返る。経験の記憶をめぐって、同世代の人たちと話をする。
さらに、それを次世代の人たちに伝えていく。
思い出に感動するのも、話をしたり、話を聞いて感動するのも自分自身。感動する心を持った人は、生き生きと老いていく。
記憶と言う自分が生きてきた証、時代と言う歴史の記憶さえ呼び起こしてくれるモノに囲まれて過ごす人生は、とても豊かで、人生の後半生は芳醇な回想の時代であり、黄金の時代であると、論者は説いている。
六十歳からの後半生を中心として考える人生の指針が出来ていないなかで、「捨てない生き方」に、そのヒントが隠されている。
2月の暦
2月5日 :年間第四主日・ 11 時
2月 12 日 :年間第五主日・ 11 時
2月 19 日 :年間第六主日・徳山教会・11 時・13 時 30 分
2月 22 日 :灰の水曜日・ 藤枝教会・19 時
2 月 26 日 :四旬節第一主日・ 11 時
十字架の道行 毎週金曜日(24 日から)・14 時 30 分
平和の祈り(ロザリオの祈り):毎週土曜日・9 時 30 分
26 月の予定
運営推進会議: 2月 5 日(日) ミサ後
信徒総会: 2 月 19 日(日) ミサ後
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