教会便り 2022年 8月
ホトトギス
花言葉:秘めた医師
カトリック島田教会
〒427⁻0041
島田市中河町 344
0547-37-1906
東西霊性交流について
編集子
今年もまた、亡き先祖をお迎えする盂蘭盆会の季節を迎えました。
キリスト教と仏教の交流を目指して、「東西霊性交流」が、始まったのは、1973年のことでした。
嘗て、西田幾多郎は、最晩年の名著「自覚について」の中で、「キリスト教と仏教が相互に学ぶべきものがある」と述べましたが、「東西霊性交流」では、キリスト教と仏教の対話的な交流を通して、現代社会における時代精神を克服できるとの確信の下、信仰の深化と普遍化を目指して、鋭意、取り組まれてきました。
「東西霊性交流」を通して、禅僧と修道士たちが、一緒に共同生活を送ることによって、お互いの宗教を理解するというこの交流は、宗教間の対話の一つとして、意義深いものがあります。
ある年には、西欧の観想修道会の修道士たちが、日本へやって来て、禅の修行場で禅僧と一緒に参禅に励みます。次の年には、日本の禅僧たちが、西欧の観想修道院へ出掛けて行って、修道士たちと一緒に、修道生活を共にします。そこでは、お互いの霊的交流が活発に行われ、お互いに文化の受容が、生き生きと息づいています。
深く、「東西霊性交流」のことに思いを潜めながら、少し以前の冬から、縁あって、夜もまだ明けきらぬ早朝、辺りの静けさを破って、お寺で鐘を撞くことを務めとしています。疫病の蔓延で、罹病して困っている方々、対応に追われている医療従事者の方々、雇い止めで万事休して、路頭に迷っている方々。涙も枯れ果てて、苦しみ悩んでいる方々の身に想いを巡らせ、天に向かって祈りを捧げつつ、万感の思いを込めて、綱を引きます。
広く、世界に目を転ずれば、戦火にさらされて、命を奪われた方々、命からがら、戦火を逃れて、身の安全を守るために、祖国を追われ、幼い子供たちや、年老いた高齢者の手を引いて、さ迷い歩く難民の方々。一時も気持ちが安らぐことがない方々の身に想いを馳せて、ただひたすら、一撞一拝の礼を厳守して、力一杯、鐘を撞いています。
鐘の音が、苦悩し、涙も枯れ果てた方々の心に届けとばかり、老骨に鞭打って、今日もまた、ただひたすら、鐘を撞いています。
東西霊性交流 2014年 円覚寺於
第 13 回運営推進会議議事録
日時:7 月 3 日(日) ミサ後
場所:集会室
出席者:7名
1.報告事項
黙総会の開催 志太榛原地区共同宣教委員会主催
ミサ改訂版の解説
創立 60 年誌原稿募集
講演会ポスターの完成
耐震診断のための募金
掲示板の更新
教会便り7月号の発行
ホームページの更新
2.議題
創立 60 周年記念事業について(継続)
文責:八木
書評 笠原十九司著「憲法九条と幣原喜重郎」大月書店刊 2020 年日本国憲法の原点の解明
編集子
憲法第九条の発案者を巡っては、連合国軍最高司令官・マッカーサー説、当時の日本の首相・幣原喜重郎説、あるいは、マッカーサーと幣原の合作説、他の発案者説等、百家争鳴の観がある。
改憲論者は、憲法九条は連合国軍最高司令官・マッカーサーによる「押しつけ」であるとして、マッカーサー説をとっている。
後に首相になった幣原が、新しい憲法の起草をする原点となったのは、1945 年 8 月 15 日の体験にある。長い浪人生活を送っていたが、偶々、その日、日本クラブで玉音放送を聞いた帰りの電車の中で、三十年配の元気のいい乗客が、「俺たちは知らん間に戦争に引き入れられて、知らん間に降参する。怪しからんのはわれわれを騙し討ちした当局の連中だ」と怒鳴っている光景を見て、自らの意思でもない戦争の悲惨事を味わしめぬよう、政治の組み立てから改めなければならないと、幣原は、その時、深く感じた。その後。図らずも内閣組閣を命じられて、総理大臣の職に就いた時、すぐに脳裏に浮かんだのは、あの時の電車の中の光景であった。
幣原曰く、自分が憲法九条を発案したのは、「一種の魔力とでもいうか、見えざる力がわたしの頭を支配したのであった」。
幣原は、1946 年 1 月 24 日、マッカーサーと二人だけで、三時間程「秘密会談」をもった。天皇を利用するために、天皇の戦争責任の免責を考えていたマッカーサーにとって、それを他の連合国にどう認めさせるかという問題に直面していた。これに対して、幣原が進言した象徴天皇と憲法九条をセットにした憲法改正案は、マッカーサーにとって、渡りに舟の名案であったので、マッカーサーも感激して秘密合意に至ったと、マッカーサーの回想でも語られている。
こうして、幣原が発案したものをマッカーサーの命令によって「押しつけられた形にする」という「秘密合意」が成立した。
著者は、資料を基に、幣原喜重郎説について説き進めている。
8月のカレンダー
8月 7日 :年間第19 主日 中止
8月 14日:年間第 20 主日 中止
8月 21 日 :年間第 21 主日中止・徳山教会 中止
8月 28 日 :年間第 22 主日 中止
平和の祈り(ロザリオの祈り):毎週土曜日 9 時 30 分
8月の予定
運営推進会議は中止します。
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